投稿日:2021.06.18 最終更新日:2023.05.02
外壁塗装で使用する塗料の種類や性能について。おすすめ塗料や塗料の選び方もご紹介!
外壁塗装を考えられるようになっていろいろと情報を集められるかと思います。しかし、外壁塗装の塗料の種類もいろいろとあり、「どれが我が家に向いているのか分からない」と悩まれる方もいらっしゃると思います。
そこでこの記事では外壁塗料の種類を特徴と共に解説していきます。
外壁塗装の塗料の種類とメリット・デメリット
外壁塗装の塗料の種類には大きく分けて以下の塗料がございます。
- アクリル塗料
- ウレタン塗料
- シリコン塗料
- ラジカル塗料
- ナノテク塗料
- 光触媒塗料
- フッ素塗料
- セラミック塗料
- 無機塗料
それぞれの1㎡当たりの費用の相場やメリット・デメリットなどの特徴を以下で解説していきます。
アクリル塗料
アクリル塗料はアクリル樹脂が主成分の塗料のことを指します。
以前は外壁塗装などにも使われていましたが、高性能のシリコン塗料などの値下がりなどにより使用頻度も下がってきました。
価格
1㎡当たり ¥1,400~¥1,600
メリット
・塗料の価格が安い
アクリル塗料のメリットは値段の安さです。
・種類が多い
商品が出てからの年数が長いため、様々なメーカーから多数の商品があり好みのデザインのものが見つかります。
デメリット
・紫外線に弱く、劣化が早い
塗った当初は艶がありますが、数年で色褪せが目立ってきます。
・ひび割れしやすい
アクリル樹脂は硬くなりやすい特徴があります。そのため、柔軟性を確保するために可塑剤を添加します。しかし、可塑剤も年数と共に効果が低くなり、柔軟性が無くなることで元通り硬くなりひび割れに繋がってしまいます。
・耐用年数が短い
耐用年数は5~7年と他の塗料と比べると短く、塗装の頻度は上がります。
こんな人におすすめ
耐用年数が短いため外壁塗装には向いていません。そのため、現在のお家が数年持てばいいとお考えの方にはおススメです。
ウレタン塗料
ポリウレタンを主成分とする塗料のことを指します。この素材は塗料だけではなく、身近なものでいえば衣類などにも使用されています。
価格
1㎡当たり ¥1,600~¥2,000
メリット
・ひび割れしにくい
ウレタン塗料には弾性(ゴムのように伸びる性質)があるためひび割れしにくいと考えられています。
・施工費用が安い
アクリル塗料に次ぐ安さとなっています。
・種類が多い
商品が出てからの年数が長いため、様々なメーカーから多数の商品があり好みのデザインのものが見つかります。
デメリット
・耐用年数が短い
耐用年数が6~10年と短く、コンスタントな塗装が必要となります。
・コストパフォーマンスが悪い
施工時の費用は安いですが、塗装のスパンが短いため長期的な目で見るとコストパフォーマンスが悪くなってしまいます。
・紫外線に弱い
紫外線の影響を受けやすく、劣化しやすい点があります。
こんな人におすすめ
施工費用が安く耐用年数が短いので、長期ではなく短期スパンで塗装を考えられている方におススメです。
シリコン塗料
外壁塗装で最もよく使われている塗料となります。塗料選びを迷われた際はシリコン塗料を選べば間違いないと言われています。
価格
1㎡当たり ¥2,300~¥3,000
メリット
・コストパフォーマンスが高い
シリコン塗料は費用と耐用年数の割合が高く、長期的な目で見るとコストパフォーマンスが高いです。
・汚れにくい
塗装の仕上がりの際、ツヤがあり、雨やほこり等の汚れを防ぐ機能があります。
デメリット
・ひび割れしやすい
塗装後の塗膜が硬くひび割れしやすいです。※シリコン塗料の中にはひび割れしにくい機能を持ったものもあります。
こんな人におすすめ
耐用年数や費用、塗料の効果などのバランスの良さが魅力となります。光沢のある外壁で10年以上耐用年数を希望の方におすすめです。
ラジカル塗料
塗装の劣化因子であるラジカルを抑制する塗料のことを指します。ラジカルとは塗料に含まれている顔料に紫外線などが当たることにより発生する劣化因子のことです。ラジカルは外壁の劣化の症状のチョーキングの原因にもなっています。
価格
1㎡当たり ¥2,300~¥3,700
メリット
・汚れにくい
紫外線に強くチョーキングが起きにくく、コケや藻などが付着しにくい効果があります。
・コストパフォーマンスが高い
シリコン塗料と同程度の金額ですが、耐用年数がシリコン塗料よりも少し長くコストパフォーマンスが高いです。
デメリット
・耐用年数の実績がない
発売されてから長期の年数が経っていない為、実際の施工した方の声が伝わりづらい点があります。
こんな人におすすめ
シリコン塗料と悩まれている方には耐用年数と金額の面から考えると、ラジカル塗料の方がコストパフォーマンスが高いのでおすすめです。
ナノテク塗料
ナノテクノロジーを活用した塗料のことを指します。
価格
1㎡当たり ¥2,300~¥4,500
メリット
・汚れに強い
汚れを分解して落とすセルフクリーニング機能があるので汚れにくいです。
・速乾性がある
塗料に含まれている成分が水の蒸発を促進するので、通常の塗料よりも乾きやすい特徴があります。
・ホルムアルデヒドを抑制
ナノテクのナノポジットはホルムアルデヒドの抑制効果があり、シックハウス症候群になりにくいです。
デメリット
・施工費用が高い
施工費用はラジカルとフッ素の中間あたりになり、耐用年数を考えると若干コストパフォーマンスが悪くなります。
こんな人におすすめ
日当たりが良い立地に家があり、外壁のメンテナンスの頻度を低くしたい方におススメです。
光触媒塗料
セルフクリーニング機能があり、耐久性が高いところに特徴があります。
価格
1㎡当たり ¥3,500
メリット
・汚れにくい
汚れを分解して落とすセルフクリーニング機能があるので汚れにくいです。
・耐用年数が長い
汚れを自ら落とすセルフクリーニング機能があります。外壁に汚れが付きにくくなることで劣化の進み具合も遅くなり、結果的に耐用年数が長くなります。
デメリット
・施工費用が高い
耐用年数が長くなることにより初期費用が高くなります。長期的な目で見るとコストパフォーマンスはいいですが、家庭の事情により良し悪しが分かれます。
・光触媒の効果が発揮しない場合もある
セルフクリーニング機能は紫外線と雨水が当たることで効果を発揮しますが、これらが当たりにくい箇所の場合は、機能が発揮されない場合もあります。
・ひび割れしやすい
塗装後の塗膜が硬くひび割れしやすいです。
こんな人におすすめ
日当たりが良い立地に家があり、外壁のメンテナンスの頻度を低くしたい方におススメです。
フッ素塗料
フッ素樹脂を含有した塗料のことを指します。
価格
1㎡当たり ¥3,800~¥4,800
メリット
・耐用年数が長い
15~20年の耐用年数が期待でき、長期的な目で見るとコストパフォーマンスが高いです。
・汚れにくい
紫外線に強く、防カビ・防藻機能を含んだものもあります。
デメリット
・ひび割れしやすい
塗装後の塗膜が硬くひび割れしやすいです。
・施工費用が高い
シリコン塗料と比較すると単価が1.5倍ほど高くなるケースがあります。
こんな人におすすめ
塗装を長期的なサイクルで考えられている方におすすめです。
セラミック塗料
セラミックを含有した塗料のことを指します。少量でもセラミックが含まれていれば、セラミック塗料となります。
価格
1㎡当たり ¥5,000~¥20,000
メリット
・断熱性、遮熱性が高い
セラミックを含有することにより、断熱や遮熱性能が高くなります。
・意匠性がある
天然石や砂岩を含有することで美しい見た目になります。
デメリット
・施工費用が高い
同様の耐用年数の塗料と比較すると施工の工程が多く金額が1.5倍程高くなるケースもあります。
こんな人におすす
様々なデザインの塗料がありますので、意匠性のある家にしたい方におすすめです。
無機塗料
塗料の原料に無機物を含有した塗料のことを指します。
価格
1㎡当たり ¥3,500~¥5,000
メリット
・耐用年数が長い
20~25年の耐用年数が期待でき、長期的な目で見るとコストパフォーマンスが高いです。
・汚れにくい
紫外線に強く、防カビ・防藻機能を含んだものもあります。
デメリット
・ひび割れしやすい
主成分が無機物の為、塗膜が硬くひび割れしやすいです。
・施工費用が高い
シリコン塗料と比較すると2倍ほど単価が高くなるケースがあります。
こんな人におすすめ
耐用年数が長いので、メンテナンスの回数を減らしたい方、長期的なスパンで考えた場合コストパフォーマンスが高い塗料を選びたい方におすすめです。
それぞれの塗料の種類と金額の目安
塗料の耐用年数と費用の目安は以下の通りです。
また、外壁塗装の費用を大まかな費用を知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
グレード | 耐用年数 | ㎡単価 |
アクリル塗料 | 5~7年 | ¥1,400~¥1,600 |
ウレタン塗料 | 6~10年 | ¥1,600~¥2,000 |
シリコン塗料 | 8~12年 | ¥2,300~¥3,000 |
ラジカル塗料 | 12~15年 | ¥2,300~¥3,700 |
ナノテク塗料 | 11~16年 | ¥2,300~¥4,500 |
光触媒塗料 | 15~20年 | ¥3,500 前後 |
フッ素塗料 | 15~20年 | ¥3,800~¥4,800 |
セラミック塗料 | 15~20年 | ¥5,000~¥20,000 |
無機塗料 | 20~25年 | ¥3,500~¥5,000 |
外壁塗装の塗料の種類の選び方
塗料の選び方としては、さまざまなものがあると思いますが、金額・色・目的などで選ばれる方が多いんではないでしょうか?
金額で選ぶ
外壁の塗料には様々な種類があり、単価も違います。
その為に、予算を決め無理のない施工費用になる塗料を選んでいきましょう。
費用を抑えたい場合ですが、初期費用を抑えたい方にはシリコン塗料がおすすめです。アクリル塗料やウレタン塗料だと初期費用はお安くなりますが、塗装のサイクルが増えてしまいます。シリコン塗料ですと、10年程の耐用年数であり、コストパフォーマンスは高くおすすめとなります。
逆に、費用をそこまで気にせず耐用年数や性能で選ぶ際のおすすめは無機塗料です。耐用年数が他の塗料と比較すると長い点や無機塗料の中でも、汚れに強いもの、ひび割れしにくいもの、遮熱性能を持っているものなど、種類も多岐にわたります。お家の環境に合わせて無機塗料の種類を選んでいける点がおすすめです。
色で選ぶ
外壁の色は家のイメージを変えるポイントとなるので、塗料メーカーの色見本を見せてもらいながらお気に入りの色を選びましょう。
目的で選ぶ
塗料には汚れにくい・防カビ、防藻・高耐久など様々な特徴があるので、住環境や目的にあった塗料を選びましょう。
外壁材や家の立地によっては汚れが付きにくかったりします。そういった方には汚れにくい特徴や防カビ、防藻効果が強いものではなく、遮熱や高耐候のものを選ばれると効果をより実感できます。逆に汚れが目立つなどが一番気になられる方には汚れにくい特徴や防カビ・防藻効果が強い塗料を選ぶことをおすすめします。
お家の立地・現状何が気になっているのかを総合的に判断して塗料を選んでいく必要性があります。
まとめ
塗料には様々な種類や特徴があります。同じシリコン塗料でも汚れに強いものとそうでないものとがあります。予算・求める機能・求める年数を比較しライフサイクルにあった塗料を選んでいくことがおすすめです。
調べてもわからないという場合は、近くの外壁塗装業者などにお問い合わせをしてみるのも一つです。
塗料の種類は何となくわかったが、実際に外壁塗装をお願いすると費用はいくらぐらいかかってくるのか気になってくると思います。
下記のブログをお読み頂くと、
・一般的な30坪の一戸建ての場合、外壁塗装の費用の相場は….
・塗料によって数十万近くお値段がかわる!?
・簡単な外壁塗装の算出方法/塗装費用の内訳
などを紹介しておりますのでお時間ありましたら是非ご覧下さい。