投稿日:2023.06.26 最終更新日:2023.06.26
【吹き付け塗装】気になる作業工程とメリット・デメリットを解説
皆さん「吹き付け塗装」って知ってますか?現在主流になっているローラ塗装とはまた違った工法です。
このブログでは、
吹き付け塗装とはなにか! 吹付塗装の工程作業! 吹き付け塗料の紹介!
などをしております。
以下のような方はぜひこのブログ記事を参考にしてみてください!
吹き付け塗装ってどんなことするの?
- どんな出来上がりになるの?吹き付け塗装のメリット・デメリットも知りたい!
- メンテナンス頻度を知りたい!
- 工程を知りたい!
また、すぐにでも相談したい方は当社にご相談ください。(相見積もり大歓迎です!)
吹き付け塗装とは?
吹き付けにも種類があります!
- 一般的な仕上げ
一般的な塗料を吹き付けする工法です。仕上げをムラなくきれいにしたい方に向いています。
メリットは、特殊な模様を付けませんので他の仕上げより安価なことです。
ですが、他の仕上げと比べて意匠性が劣ります。
- リシン塗装
目の粗さが一番細かく、価格帯は一番安いです。
塗料に砂壁状の骨材を混ぜた仕上げ材を吹き付けます。
塗膜は薄いですが、砂壁のような仕上がりになります。
- スタッコ塗装
目の粗さは中くらいです。
セメント・塗料・骨材などを混ぜた仕上げ材を厚く吹き付ける仕上げ方法です。
重圧感がある仕上がりになります。
- 吹付けタイル仕上げ
粘度の高い専用の塗料を下塗材、主材、上塗材と3回吹き付けて完成させる塗装方法です。
滑らかな仕上がりになります。
吹き付け塗装のメリット・デメリット
どの工程にもメリット/デメリットがあります。以下では吹き付け塗装のメリット/デメリットを紹介いします。
メリット
1.立体感のある独特な雰囲気の外壁模様に仕上がる!
吹き付け塗装の最大のメリットは、凹凸のある立体感を出すことによって独特の質感が出せます。
ローラー塗装では出しづらい高級感のある雰囲気が出るだけでなく、塗料の配合や吹き付け機の種類、職人のさじ加減によって、唯一無二の仕上がりになります。
また吹き付け独特のが、補修跡をわかりにくくする効果もあります。
2.作業スピードが圧倒的に早い
マンションの外壁などの広い範囲でも、ムラなく手早く塗ることができます。
腕が入らないような狭い隙間も、簡単かつきれいに塗ることができ、ローラーに比べると圧倒的に作業スピードが速いです。
デメリット
1.塗料の飛び散りが多い為、養生の手間がかかる
吹き付け機器を使用する吹き付け塗装は、塗る必要のない場所にまで塗料が飛び散る可能性が高いです。
また、風に流されやすく天候によって作業できる日が限られる建物が密集している地域では使いずらい養生の手間もそれだけ多くなります。
飛び散りを防ぐためには、施工前に入念に養生しておく必要があります。
2.塗装時に機械の騒音が問題となることも
吹き付け塗装はスプレーガンと言う道具を使用するため、事前に工事予定を申し入れる必要もあるかもしれません。近隣トラブルを避けるためにも、事前の準備をしっかりと行うことが大切です。
3.技術レベルが高い職人が少ない
手軽にでき主流のローラー塗装に比べると、吹き付け機器を使った塗装には経験や技術が要求されます。
仕上がりも職人の技量によって左右されるため、職人の技術レベルを見極めなくてはいけません。
吹き付け塗装の劣化症状とメンテナンス頻度
吹き付け塗装の劣化症状と気になるメンテナンス頻度を紹介します。
吹き付け塗装6つの劣化症状
色が褪せがある
外壁の色褪せの原因は
①紫外線によるものがあります。
塗料の色を出す顔料の元素が紫外線に当たることで破壊されてしまうことにより色あせが起こってしまいます。
②化学変化によるものがあります。
身近なものですと、サビがいい例です、鉄が酸素と反応することで素材の色自体が変わってしまうのです。
色褪せについて詳しく知りたい方は下記のブログをお読み下さい。
カビやコケ/藻が生えている
外壁は雨風にさらされるためカビ・苔・汚れが発生しやすい場所です。
カビは高温多湿の条件を好みます。日当たりが良く湿度の低い環境下では繁殖はしません。
そのため、日当たりの悪く、湿度の高いジメジメした環境でカビが発生します。
塗料が剥がれたり、膨れたりしている
外壁塗装が剥がれる原因は、
①不良
②経年劣化
の2つに分かれます。
塗料ごとに目安の耐用年数が決まっているため、それを大きく下回る年数で塗料が剥がれた場合は施工不良が原因かもしれません。
クラック(ひび割れ)がある
モルタル外壁のひび割れには以下の4つがあります。
乾燥クラック/ヘアクラック/構造クラック/縁切れクラック
幅0.3mm以下のクラックは、ほとんどの場合補修をしなくても問題ありません。
ヘアクラック/構造クラックのようにひびわれが0.3㎜以上のものは
①シール工法
②樹脂注入工法
で補修していきます。
一般家庭にはなかなか無いであろう専用道具を使い技術的にも難しいため、DIYはおすすめしません。
チョーキング現象がある
紫外線による影響などで塗料に含まれている顔料がモルタル外壁の表面に出てきてしまい、触れると手に粉が付着します。
その為、外壁表面の防水性なども失われてしまっている状態です。
チョーキングは最初の劣化症状のため、このタイミングで塗り替えを行えば下地調整などの費用を大幅に抑えることができます。
症状が進むと塗装の剥がれなどにつながり補修費用が必要になってきます。
吹き付け塗装のメンテナンス頻度は?
結論を言いますと、施工手順をしっかりと守って塗装するならば、ローラーによる塗装でも、吹き付けによる塗装でも差はほぼありません。
だいたい吹き付け塗装は10年~15年ほどです。
先ほど紹介した、症状がある時は塗り替えを検討することをおすすめします。
吹き付け塗料 3種類
吹き付け塗装の塗料を3つ紹介します。外壁塗装と違い、塗料の種類によって吹付け回数が変わる場合があります。
菊水化学工業株式会社 ナチュラルトーン
特長
- 自然石の風格ある美観、 建築物を保護します。
- 耐久性、低汚染性を持ちます。
- 美しさと強さを兼ね備え塗料
単価(1㎡) | 3500円~ |
エスケー化研株式会社 エレガンストーン
特長
- 重厚で豪華な自然石調の風合いです。
- 自然石に比べ、コーナー部、アール部など細部処理が簡単です。
- カラーバリエーションが豊富です。
- 自然石に比べて工期の短縮につながり経済的です。
単価(1㎡) | 3500円~ |
山本窯業化工株式会社 ネオフレッシュティアラ
特長
- 紫外線(UV)や赤外線(熱)に強い塗膜を形成し高い耐候性を発揮します。
- 長期間光沢を維持し塗膜の劣化(チョーキング)を抑制します。
- 塗替回数も少なくなりライフサイクルコストの低減に貢献します。
単価(1㎡) | 400円~ |
吹き付け塗装の工程
今回の吹き付け塗装の工程は「菊水化学工業株式会社 ナチュラルトーン」の塗料を使用したものです。
完工外壁は色見本の感じです!各項目工程の説明と気を付けて頂きたいポイントを説明していきます。
近隣挨拶
工事の音やホコリなどで、ご迷惑の掛る可能性のある近隣の方へご挨拶いたします。
その際に足場設置期間の音が出てしまう時間帯や塗装の際、塗料の匂いが気になるかもしれない時期などの説明もさせていただきます。基本的には、隣接するすべてのお家にご挨拶させていただきます。
当社では案内文と粗品ををお渡ししています。なにかあった場合当社にすぐご連絡できるよう、足場にはイメージシートをつけております。
足場設置前の現場確認(お客様も一緒におこないます)
塗装工事がはじまる前に、現場確認が行なわれます。
この時、足場設置や塗装作業の障害になりそうなモノはすべて動かすことになります。業者が勝手にモノを動かすと、後々トラブルになってしまう可能性があるため、基本的にお客様の立ち会いが求められます。
気を付けるポイント
- 「大事に扱ってほしいモノ」「塗料等で絶対に汚されたくない大切な植栽やお花」などがあればこの時に教えてください。
足場組立
外壁塗装には足場が必ず必要です。なぜなら、労働安全衛生法の定めにより、2mを超える高所作業では、作業員の安全のために、足場を設置が義務付けられています。
平屋のお宅でさえ、足場なしに作業をすると法律違反になります。
足場の組み立て時にはどうしても大きな音がすることもあります。
足場設置後は飛散防止ネットを設置することが出来るため、近隣に塗料が飛び散ってしまうことを防げます。
気を付けるポイント
- どの程度の音がするのか業者にその時間帯なども確認することをおすすめします。
- 足場の組み立てには国家資格が必要なため、塗装業者が協力業者に委託する場合が少なくありません。
そのため、足場の設置時には、塗装業者だけでなく足場業者も現場を出入りする為、塗装業者と足場業者の連携が担当者がきちんとれているかが大切です。
高圧洗浄と下地処理
高圧洗浄にて、外壁や屋根、窓や雨戸、さらに雨戸の裏まで洗浄し汚れを落とします。近隣住宅に水が飛散する可能性のある場合、メッシュシートだけでなく、ナイロン等で養生しております。
外壁目地のコーキング工事やひび割れ、浮き部の補修を行います。
吹き付け養生
塗装しない箇所をビニールや養生テープで養生します。特に吹き付け塗装は塗料が飛び散るのでしっかりと養生する必要があります。
換気扇、エアコン、玄関戸など普段と変わらずご使用頂けるようにできるだけ早く養生いたしますのでご安心ください。
また、事前にお聞きした動かせないお客様の大切なものなどは丁寧に養生いたします。
ローラーで下塗り
まずローラーで下塗りをします。
下塗りは色をつける事が目的ではなく、上塗り用の塗料がしっかりと壁に密着する為の薬剤を塗るというイメージです。
下地の吸い込み防止や塗膜の付着性を高めるため、下地に最適なシーラー、プライマー、フィラー、バインダーなどの下塗り材から使い分けます。
ローラーで中塗り
中塗りでベースとなる色をつけていきます。
コンプレッサーの準備と仕上げ塗材の準備
いよいよ吹き付け塗装です。
スプレーガンと言う機材を使って吹き付けしていきます。
吹き付け(上塗り)
小石や模様が偏らないように吹き付けていきます。
職人の腕のみせどころです!
仕上げ仕上げ
こちらは吹き付けで仕上げる場合もありますが、今回は厚みを出すためにローラーで仕上げています。
完工
吹き付け塗装は重厚感がある仕上がりになります。
まとめ
吹き付け塗装いかがでしょうか?
養生はローラー塗装より手間がかかりますが、吹き付け自体はローラ塗装よりもかなり時間短縮になります。
仕上がりは立体感のある独特な雰囲気の外壁模様に仕上がります。
デメリットは塗料の飛び散りが多い為、養生の手間がかかったり、塗装時に機械の騒音が問題となることがありあます。
メンテナンス頻度は外壁塗装とほぼ同じで10年~15年です。
また、外壁・屋根塗装をお考えの方で外壁塗装の予算がどれくらいか知りたい方は以下のブログをお読みください。
外壁塗装の費用の相場は?坪数別の費用相場をお伝え!
この記事の執筆者・更新担当者
専務取締役 岡田 健
「失敗は許されない。完成時には、心からご満足いただける塗装を」
私は日々このような強い思いをもって塗装工事に取り組んでいます。
自分自身にプレッシャーを与えながら業務にあたっていますから、工期を終えた後、お客さまの笑顔に触れた時には仕事に対する充実感、そしてその先にある「より質の高い塗装を」というモチベーション維持にもつながっています。
資格: 外壁診断士
趣味: 旅行、シュノーケリング、フットサル